第44章 倒そう

相田
「（マズい…黒子くんのパスに追いつかれるようになってきた。シューター不在でDFを広げられないんだわ…！）」


根武谷
「なんだよオイ、ぶつかってくる気配ゼロじゃねーか。随分おとなしくなっちまったなあ」



悔しそうにしている木吉に小金井は近づいていき「顔こえーってホラホラ、楽しんでこーぜ」と笑いながら彼の肩を掴み言っており、「別にそのセリフ使うのはいいけど使い方が…なんかあやされてる気分なんだが」と木吉は言った

そして小金井の様子を見ながら木吉は「楽しそうだなコガ…」と呟くと、彼は「…え？そりゃあ…」と理由を話し始めた



小金井
「お気楽にやってるわけじゃないし、これでも必死だよ。けど試合出てプレイすんのは楽しいっしょやっぱ！」


伊月
「なんか同じ言葉もコガが言うとずいぶんニュアンスが変わるな」


木吉
「ああ…そうだな」


須佐
「平凡な選手だとは思ってたが…高校から始めて並まできたっつーのはあるイミすげーな」


若松
「高校の部活で経験者と未経験者の差はとんでもなくでかい。センスもあって努力も相当したんだろうな」


今吉
「ただホメとるろこ悪いが問題は今どうかや、並じゃ五将に歯は立たんで」



その頃小金井の姉、茜の隣の席の観客が「けど誠凛は控えの選手だろ？さっきみたいなマグレはもうない…止められっこねぇよ」と言っているのを聞いて茜はムッとした表情をした



茜
「（何も知らない奴らに言いたい放題言われてんじゃないよ！控えだって立派な選手だ！）」


小金井
「！！（これは＿！！）」


実渕
「今度のはわかったところで何もできないわよ」



そう言った実渕はノーフェイクで3Pを撃つかと思われたが、氷室は「これは…第２Ｑに見せたDFが動けなくなるシュート」とわかっているようだった

小金井が「虚空」を受けた瞬間、彼の脳裏で高校１年の時からの記憶が流れ始めた