第44章 倒そう
黒子
「いやだ、勝ちたい…」
火神
「…黒子?」
黒子
「僕は…!勝ちたい!ムリでも…!不可能でも…!みんなと日本一になりたい!!」
「黒子…」
その瞬間、会場には2号の鳴き声が響いた
福田
「そりゃあ…っできることばらみんなそう思ってるよ…けどどうやって…」
黒子
「けどそれでもカントク…お願いします」
相田
「!」
誠凛の選手交代のアナウンスが流れ、彼が出てきた瞬間キセキの世代も、コートにいる選手も目を見開いた
黒子
「(思わずこぼれた涙は、熱かった。逃げるな…戦え、あの熱さがある限り)」
そう思いながら彼はリストバンドで涙を拭った
先程、バスケットほどつまらないスポーツはない。と言った。しかしそれは、ここで終わればの話
笠松
「なっ…」
黄瀬
「まさか…(出るんスか!?)」
青峰
「(ミスディレクションやら技術うんぬんの問題じゃねぇ、特性を失った状態で何ができんだよ!?)」
緑間
「(…不可能だ!)」
紫原
「(気合でなんとかなるほど、赤ちんは甘くないよ…?)」
桃井
「テツくん…!」
名前
『…テツヤ』
「おおお出てきたぞ誠凛の元祖トリックスター!」
「11番…黒子テツヤ!!」
根武谷
「…はあ!?」
実渕
「どういうつもり…!?」
葉山
「なんも変わってないじゃんよ。観客の反応を見ても明らか…盛り上げちゃダメっしょ、目立ってるってことじゃん」
黛
「(あげく元祖トリックスターときたもんだ失笑するぜ、もはやタネも仕掛けもバレたペテン師だろ。コートにいてもジャマなだけだぜ)」
赤司
「どういうつもりだテツヤ、まさかまだ勝算があるつもりなら楽観的にもほどがあるよ」
黒子
「そう言う風に考えていません。勝ちたいから戦う、それだけです。結果がどうだろうと最後の最後まで僕は逃げません…!」
赤司
「…なるほど、無意味な決断だ」
そうやり取りした彼らはすぐに試合開始のためにマッチアップの相手の前に立ち、誠凛ボールから再開された