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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《2》

第43章 勝てない




赤司
「わざわざ進んでとどめを刺されにきたか、蛮勇だな」


火神
「っ…うるせえ!!
(確かにコイツは怪物だ、けどまだ可能性はある。入れれば今度こそなんとかしてみせる…!!ゾーンにさえ入れれば…!!)」


黄瀬
「…ムリもない。洛山は…赤司っちは強すぎる…ゾーンを期待せずになんてやれっこないっス
けどそれは陽泉の時とまるで同じ。ゾーンの扉はいかなる時も無情、すがる者に開くことは決してない」



火神の持っていたボールは赤司の天帝の眼によって奪われてしまった。その際に黄瀬は思わず目を瞑り、青峰は真面目な顔をした

赤司がそのままゴールを決めたことで彼らの希望の光は、途切れたそこで誠凛はT.Oをとった

試合で大差がついた時、バスケットほどつまらないスポーツはない。確率のスポーツとも呼ばれ、すなわち点差はほぼそのまま実力差であり、短時間で一気に大量得点できるような術もない

試合終了のブザーが鳴る前に決着はついたも同然となり、その後のプレイは勝敗にほぼ関係ない
そうなれば席を立ってしまう観客もいるだろう

逆にだからこそバスケットほど接戦がスリリングなスポーツもないと言えるが



今吉
「決勝戦が必ずドラマチックになるとは限らん。大本命があっけなく勝つのもまた決勝戦や
もはや完全に心は折れた。希望の光はすべて消えた。誠凛はもう立ち上がれない」



誠凛はみなただ下だけを向いており、黒子もその中で自分の手を見つめていた

帝光で言った「バスケットをやめる」と言った言葉、火神の昨日の「とっくに仲間だろーが」言葉、決勝前に誠凛で言った「バスケットをやっていて僕は、本当に良かった」という言葉

そして、荻原の、「黒子なら必ずまた立ち上がって、氷を溶かすこともきっとできる」という言葉を、名前の笑顔を、全部思い出して涙を零した







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