第43章 勝てない

日向
「（もう今はお手本の選手じゃねぇ、倒さなきゃなんねぇ選手だ！！）」



日向の後ろに下がるスピードが上がったことをみた実渕は「重心を残す位置が遠くなってる…！！」と思い、景虎も「おおっ！？」と声をあげていた

シュートはキレイにリングを潜り、点差を10点に縮めた



根武谷
「ビデオで見た時もちょっと思ったけどよ、あいつのフォームお前に似てんな？」


実渕
「やっぱりそう思う？
（けどまあ似てるだけだけどね。もし私の形をマネしたとしてもとっくに消化して自分に合う形にカスタムしてる、別物だわ）
悪くないわね…！ボール回してね征ちゃん」


赤司
「もちろんそのつもりだよ玲央、存分にやるといい」



その後何分間かSG対決は続いていた。が、徐々にその結果が見え始めていた



木吉
「（おされているのは日向だ…！！実渕は徐々にタイミングを合わせてきている。いずれ桜井が見せた不可侵のシュート破りにつかまる…！

だがこっちは向かってくるシュートと離れていくシュート、２種類の3Pにまだ対応できていない…！このままでは…）」



彼の予感は当たり、彼のシュートを実渕は止めて彼らは反撃を始めた

赤司から実渕に再びボールが回った際、日向の前で彼は口元に弧を描いた



実渕
「見直したわアナタ…思ってたよりずっといいシューターね。だからお礼に、いいもの見せてア・ゲ・ル♡」


花宮
「マジかよ…あれ撃つのか！？」


山崎
「え？」


花宮
「めったに見せねぇんだが…実渕がよく使うシュートは２つある
相手をかわしつつ決めるシュート「天」、相手に当たりながら決めるシュート「地」、だが実はもう１つ…」



実渕はノーモーションでごく普通にシュートに入った。そのために日向が「絶対止める」と思って跳ぼうとすると、彼は跳ぶことができなかった



日向
「（跳べない…！？なん…で…）」


花宮
「相手に何もせずに決めるシュート「虚空」」


小金井
「なんだ今のは！？日向が勝手に動きを止めた！？」


火神
「なっ…」


花宮
「奴は、３種のシュートを持つ将「夜叉」実渕玲央」