第6章 海常vs桐皇
日向
「青峰の模倣?
そんな…できるのか?」
黒子
「…そもそも黄瀬くんの模倣というのはできることをやっているだけで、できないことはできません」
小金井
「は…は!?」
相田
「つまり…簡単に言えば「のみこみが異常に早い」ってこと
NBA選手の模倣とか、自分能力以上の動きは再現できない」
木吉
「だが…逆に言えばそれでもやろうとしているってことは「できる」って信じたってことだろ」
説明をした木吉に名前はふっと目線を向けて少し悲しげな表情をしながら口を開いた
黒子はその様子を見てハッと何かを思いだし、黄瀬のことをジッと見た
名前
『…そもそもできるんですよ。本来は』
伊月
「できるって、青峰の模倣が?」
名前
『はい』
火神
「なら何で今まで使わなかったんだ?」
黒子
「覚えて、ないんです」
名前
『そう…彼らの中には別の記憶が入っていて、その中では出来ていなかった』
小金井
「それってつまり…?」
名前
『出来ないわけが、ないんです』
黄瀬のことをジッと見て何かを訴えるかのように制服のスカートをギュッと握る名前
試合時間は残り1秒でスッと彼女は目を瞑った
今吉
「あらら、しゃーない。時間や!」
笠松
「(ただ放っただけだ…!
入るわけねぇ…!)」
笠松の考えとは裏腹にリングを通ったボール
それに驚いた笠松は、目を見開いた
笠松
「なっっ!」
今吉
「ハハッ、いやぁついとる。入ってもーたわ」
森山
「くっ…」
ギリッと歯ぎしりをする海常に対して悪人面をする今吉
そこで第2Q、つまり前半は終了して10分のインターバルへと入った
その開始の音ともに、彼女は目を開いた