第35章 完全無欠の模倣
黄瀬
「火神ぃいい!!」
「うわぁぁ黄瀬!?マジかよ速すぎる!!」
木吉
「くそっ…!!(小堀の反応が一歩早かったせいでロングスローの軌道を変えられた…!!
予定よりも山なりに投げさせられたことで、黄瀬が走る時間が出来てしまったんだ…!!)」
目の前に黄瀬が立ちはだかる状態で火神はボールを左手に持ち、「ドリブルでかわすような時間はねぇ、シュートだ…!!」と考えて今の黄瀬に唯一通用するであろう流星のダンクのために跳んだ
しかし火神がこの技を成功させたのは、前の陽泉戦でゾーンに入った時1度きりである。超跳躍状態で利き腕とは逆の左手の繊細なボールコントロールを必要とするため、通常時ではまだ使いこなすことができなかった
さらに黄瀬の圧力は火神ですら圧倒されるものだった。そのため火神がシュートが失敗することを直感した瞬間に後ろから黒子の声がした
黒子
「火神くん!!」
黄瀬
「(黒子っち…!!けど一歩遅かったっスね、もうボールは火神っちの手を離れる。暖くは止められない…!!)」
火神
「まだだあ!!」
そういった火神はそのままボールを投げ飛ばして跳ね返らせ、黒子にボールを回した。黒子はフリースローラインで幻影のシュートモーションに入り誰の邪魔もされないままシュートを撃った
そのボールはブザーがなる直前にリングを潜り、得点を重ねた
「試合終了ー!!」
「勝ったの誠凛高校ー!!11番のブザービーダーで奇跡の再々逆転!」
やはり誠凛は勝った事を喜んでおり、会場は悔しそうにみなが涙を流していた。だが黄瀬は火神と黒子に近づいて握手のために手を差し出しながら「完敗…スわ!」と笑いながら言った