第34章 海常VS誠凛

笠松
「（鷲の鉤爪か、またずいぶんとやっかいな技だぜ。後ろ向きのままのバックチップ、コートを俯瞰で見ることができる鷲の目に向いた技だ
振り返らない分フルドライブにも追いつける速さが出せるってわけか）

…あやまるぜ。正直ちょっとナメてたわ、伊月俊」


伊月
「そりゃあ…ただのダジャレが上手い人だと思われてたら困るんで」


笠松
「は？ダジャレ…？いつ言った？」



ダジャレが通じてなかった事に伊月は少々ショックを受けていたが、笠松がボールを持ち抜こうとした瞬間に抜かれるの覚悟故なのか、DFをすごいプレッシャーで行っていた

森山は「ひるむな！抜いてやれ笠松！」と言っていたが、それを聞いていた笠松は伊月を見ながらどうするかを考えていた



笠松
「（全神経を注いだドライブなら出せるかもしれねえ…鷲の鉤爪でも追いつけない速さを…だが）」


武内
「チイッ…（笠松の武器は3Pと速さを活かしたドライブ。相手がシュートを警戒して近づけばドライブ、ドライブを警戒して離れればシュート、最もオーソドックスかつ強力なスタイルの１つだ

今ならばドライブが有効な場面…だがいけん。うかつに切り込めば、11番のスティールにつかまる可能性が極めて高い）」


笠松
「（ドライブに全神経を注げば透明少年をかわすゆとりはねぇ、くそったれが…！！単発じゃねえ威嚇力がある。猛禽の爪はダテじゃねぇな…！！）」



どうするか悩んでいる彼に「センパイ！」と黄瀬が声を掛け、「頼むぜエース！！」と聞きながら黄瀬はボールを受け取った

彼の目の前には火神が居り、様子を見た黄瀬は「エンジンかかってきたみたいっスね、つか…改めて向き合うと前とは別人じゃん…」と思いながら「おもしれぇ…」と呟いた

そして黄瀬は火神の事を抜こうとドライブをしたが、何処か痛そうな顔をしながら１度止まり後ろへ向かって跳ぶフェイダウェイをした

だが火神はそれをブロックしてからヘルプに来た早川を抜き、そのままダンクをするかと思いきやそれを黄瀬が止め、ボールは外に出た