第31章 WエースVS光と影
紫原
「よこせ!」
陽泉ボールからの再開で紫原は福井からボールを受け取り、回転しながらダンクする破壊の鉄槌(トールハンマー)を決めようとしていた。火神は彼を止めようと、ゴールに向けられたボールを押さえた
紫原
「…っ」
岡村
「バカなっ…」
黄瀬
「(これはゾーンによるリミッター解除されたパワーだけじゃない。前方に跳んでその力も上乗せしてる…!けどそれにしても…)」
青峰
「さすがに…驚いたぜ…!」
そのまま火神はボールを弾き、紫原もその反動により倒れてしまった。火神が「…悪いな。ちょっと力入りすぎちまった」と謝ると、紫原は何も言えず歯を食いしばっていた
氷室はその様子を見て幼い頃アレックスに雨の中言った「なんでだよ。僕の方が先にバスケ始めて、僕の方がバスケを好きなのに…なぜ僕じゃなくて、あいつなんだ!」と嘆いた事を思い出していた
その頃誠凛は火神とハイタッチを交わしていた。桃井はその様子を見て、口を開いた
桃井
「すごい…あのムッくんを止めるなんて…」
青峰
「今の火神を止められるとしたら、同じゾーンに入った奴だけだろ」
桃井
「…陽泉側にもその可能性はあるんじゃないの?ムッくんか、それと氷室さんとあるいは…」
青峰
「…かもな…が、おそらくそれはねえ」
桃井
「!?」
火神は1人でシュートをブロックし、シュートも決めていた。観客は火神のすごさに盛り上がっており、紫原は悔しそうにしていた
その頃海常では先程桃井と青峰がしていたような内容を話していたのか、森山が「それはない…?どうゆうことだよ?」と聞いていた
黄瀬
「俺もゾーンを完全に理解してるわけじゃないっスけど1つ断言できることがあるっス。ゾーンに入るための最低条件は、その競技に全てを懸けていること。平たく言えば、バスケを何より好きであることっス
けどそれは、唯一紫原っちに欠落しているものでもある。彼のエネルギー量は「キセキの世代」の中でもズ抜けている。資質で言えば最強かもしれない。それでも…紫原はゾーンに入れない」
小堀
「だったらあの氷室は?あいつならたぶんそんな欠落とかねぇだろ」
黄瀬
「彼はまあ…それ以前の問題じゃないっスか…悪いけど」
小堀達は黄瀬の言葉に首を傾げ、不思議そうな顔をしていた