第29章 紫原VS黒子
まず誠凛は作戦していた通り高速パスワークで彼らとスピード勝負に出た。相田はどんなに堅いDFでも隙間がないなんてありえない。その隙をつく!と思いながら、パスより速く動ける人間なんていないでしょ!!と考えていたのだ
そして最後は日向へとボールは渡り、フリーの状態で撃とうとした。だがそこに紫原がやってきて日向のシュートを叩き落とした
叩き落とされたボールは何とか伊月が取り、再び誠凛ボールに戻った
小金井
「あぶねー!!ナイス伊月!!」
日向
「(なんて奴だ…新協学園のパパが可愛く見えるぜ…)」
伊月
「(高いだけじゃない…動きもあの巨体からは信じられないくらい速い…!)」
荒木
「今までその方法で攻めてきたチームは星の数ほどいるが、その程度で破られるほどウチのDFは甘くないよ」
相田
「確かに…生半可なDFじゃないわね…なら、もっと速ければどう?」
そう言った相田の考えは既に選手には話されており、そのことを思い出していた
木吉
「横のロングパス?」
相田
「バスケットでは速攻の時とかで縦のロングパスはあるけど、サッカーのサイドチェンジのようなコートを横切るパスはまず使えない。それはなぜか?」
日向
「そりゃあ…そんなのまずカットされるだろ」
相田
「そう。せまいコートで選手が密集してるからやっても通らないのよ。つまりバスケットにおいて普通1パスのみで行動サイドを瞬時に切り替えることは不可能なのよ
…けど、誠凛には1人いるわ。その不可能を可能にする選手がね!」
その可能にする選手はパスに特化した選手である黒子で、伊月からのパスを彼は火神へと送った。それは完全に陽泉の裏をかき、シュートも決まるはずだった
だが紫原は腕だけでなく足も長く、火神にすぐに追いつき彼のボールを先程用に叩き落とした
荒木
「紫原からは逃げられない。3Pラインより内側は、すべて奴の守備範囲だ」
誠凛はDFリバウンドも長身の彼らにより取ることができず、ゴール直後に点を決めようとするが、紫原によってそれはできなかった
火神
「(そういえばストバスの時もそうだった。攻撃には参加せず自陣はゴール下から動かねーつもりかよ!?
だとしたら攻守の切りかえが早い展開にも持ち込めない…つけいるスキがねぇ…!!)」