第5章 ごめんね
先ほどの高尾に対してリンクしているわけではないが、火神が答えたのはこうだった
火神
「できるけどよ…あれは左足で跳んで右手でボールを持っていた時だ…が、利き脚で跳ぼうとすればボールを扱うのは基本左手だ
けど実は、左手だと叩きつけるぐらいしかできねーっつーか…」
緑間
「つまり右手に比べて、左手のボールハンドリングが拙すぎるのたよ
高く跳ぶだけでは空中戦とは呼べん
そこから滞空中の選択肢で戦ってこその真骨頂だ」
火神
「冬までにやることな決まった!
何度でも跳べる足腰を作ることと左手のスキルアップ
俺は空中で自在に動けるようになる!
ただそれを緑間に気づかされたことがむかつくぜ。だから走ってた」
黒子
「…」
火神
「…けどやっぱどいつもこいつも強ーな「キセキの世代」
緑間のDF1つとっても右で跳ばされただけだ」
黒子「いえ…逆に言えばそれだけ火神くんを警戒してたとも」
黒子の脳内で名前のことを思い出す前に日向に言われたこと合宿中緑間に言われたことが再生された
瞬間目を見開いて、答えに辿り着けた気がした
高尾
「つーかいいのかよ?
敵にあんな塩送っちゃって」
緑間
「それでも冬は、俺が勝つのだよ」
高尾
「いや、火神だけならまだしもよ
風呂で言ってたみたいにもし黒子まで成長したらいよいよ…」
高尾の意見は間違ってなく、黒子は急に立ち止まった
黒子は決心した
黒子
「…火神くんは「キセキの世代」に空中戦なら勝てるかもしれません。けど、地上戦で勝てないかもしれません」
火神
「なんっっ」
黒子
「それに僕のパスも通用しません
火神くんがダメなら、今誠凛で相手をできる人はいません
けど今思い付きました。火神くんとみんなを活かすための…新しい黒子のバスケを」
火神
「え?」
黒子
「パス以外に僕だけのドライブを修得して、僕が「キセキの世代」を抜きます」
火神
「!?」
緑間
「フン。望む所なのだよ」
高尾
「俺は望んでねーつの!」
名前
『…まあ大丈夫だろ。あいつらなら』
火神と黒子、緑間と高尾がそれぞれ別の場所で何かを述べている中、名前は立ち上がって宿の方へと向かい歩き出した
彼女の揺れている黒い髪は、何も変化はしなかった