第5章 ごめんね
相田
「わかった?
あなたの最大の武器は跳躍力。けどまだ全てを引き出せてはいないわ
今はとにかく体作り、そこからどうするかは自分で考えてね
あとゴールはちゃんと起こしときなさいよ」
ヒント出しすぎちゃったかなー、まーいっか、バカガミだし。と呟いて帰っていく監督は機嫌が良さそうで、見ていて何となく安心した
…監督の機嫌が悪いと練習メニューが大変だから。かな
地面に寝っ転がって手を上のへ掲げる火神は端から見れば変な人だが、真面目なことを考えているはずなので放っておこう
黒子
「どうも」
名前
『あ、テツヤ』
高尾
「…よう!何してんの?」
黒子
「いえ、もうすぐ夕食なので火神くんを呼びに」
高尾
「もうそんな時間か、じゃあウチもそろそろ…頭下げろ!」
名前
『…あ』
テツヤの頭を押して座らせた和成に反応して駐車場の方を見ると、お汁粉をもった緑間が火神の近くに立っていた
目が合った瞬間に2人は嫌悪を顔に出し、隣では和成が爆笑していた
火神
「…んだよ」
緑間
「用などない。ただ飲み物を買いに出ただけなのだよ」
火神
「飲みもん…?って汁粉!?
よく夏にそんなもん飲めんな」
緑間
「「冷たい」に決まっているだろうバカめ」
火神
「そーゆーこっちゃねぇよ!」
名前
『ハハハ…』
2人の会話を見ていても苦笑いしか出てこなく、テツヤは無表情で2人を眺めていた
しかし和成は目元に涙を溜め笑いを抑えてぷるぷる震えており、よく笑うなー。と再認識した
緑間
「まったく…お前には失望したのだよ」
火神
「なんだいきなり!」
緑間
「俺に負ける前に青峰にボロカスに負けたろう」
火神
「ぐっ…次は勝つ!
いつまでもあの時と同じじゃねーよ!」
緑間先ほど火神が起こしたゴールに目線を上げ、そ高い位置にある手形にフッ…と意味あり気な笑みをこぼした