第21章 温泉にて
日向
「はー、のぞきなんてやるもんじゃねぇな」
伊月
「あたり前だ」
「わははっあいかわらずにぎやかやな」
日向
「!?あんた達は…!?」
ブクブクと口元までお湯につけながら日向がそう言うと、伊月は呆れた顔で正当な返事を返した。そんな彼らを笑う人が湯けむりで見えないが居り、覆っていたそれが晴れた瞬間、日向は目を見開いた
一方黒子が逆上せてしまったため先に温泉を出た火神は黒子をベンチへ寝かせ、目元に畳んだハンドタオルをかけた。彼はもう少し入っていたかったのに…と文句を言いつつも黒子に何か飲むかと聞いていた
黒子
「…じゃあ、ポカリを」
火神
「…あれ?なんだよ売り切れか。しゃーねぇちょっと表ので買ってくらぁ」
黒子
「すみません」
その頃、女湯男湯では突如として現れた桃井、今吉、桜井、若松、諏佐に驚き、両者共に「桐皇学園…!!?」と声に出していた。彼らがなぜここに居るのか疑問に思った日向はなんでここに…!?と今吉に問い掛けるように口に出した
今吉は警戒している様子を見せる日向に眉を下げながら、なぜ彼らがここに居るのかの説明を始めた
今吉
「えー、別にいてもええやんけ。たまたまやで、たまたま近くで練習試合やっとって、たまたま温泉でもつかろかってことになって、そしたまたまおっただけやん
まあそんなピリピリせんでや。お互い同じ東京代表校やしフロぐらい仲良くしようや」
若松
「桜井、アイツは?」
桜井
「あっ、汗かいてないからいいそうです」
若松
「けっ…!!そりゃそうだろうろーよ、試合出てねーんだから。まあ圧勝だったけどよ!!」
桜井
「ああっスミマセン!!」」
またその頃、黒子が先ほどと変わらず休んでいるとスポドリが入ったスクイズが頭の付近に「ほらよ」と置かれた
火神だと思って黒子がお礼を言いながら目元に掛かっているタオルを取ると、自販機でジュースを買っている青峰の姿が目に入り上体を起こした
青峰
「久しぶりだな。テツ・・・」
黒子
「・・・青峰くん」