第19章 バスケ部創部
じゃあまた学校でな!と帰って行ったみんなを確認してから、木吉はまた外を見始めた
そんな彼の手元に缶が飛んできて、ベッドの横の床にミエミエのやせがまんしやがって…と言いながら誰かが座った
木吉
「…日向」
日向
「お前がねんざ程度で試合を放り出すわけねーだろ」
木吉
「いや大丈夫だ。来週までには治す、病は気からって言うしな!」
日向
「ちゃかすなよ!主将にまで隠しごとかよ?」
その頃病室のすぐそとの廊下では相田が日向と同じく木吉のことが気になったのか、戻ってきていた
病室のドアが開けっ放しのため、彼女の耳に木吉と日向の会話が聞こえてきて、相田は驚きで目を見開いた
木吉
「手術してリハビリして完治する頃には高校卒業してるとさ」
相田
「(…え?)」
木吉
「手術せずにリハビリだけでだましだましやれなくもないらしいが、それでも戻ってくるのにはかかるそうだ」
日向
「……、…止めてもどうせ後者なんだろ?」
木吉
「ああ…お前らと3年間やりたかったなぁ…
リハビリだけではバスケをすれば再びダメージが蓄積していく。戻ってもできるのはもって1年らしい
結局一緒できるのは来年だけだ…」
日向
「…そうか…しょうがねーな、じゃあ来年なっちまうか、日本一」
廊下で相田が驚いているのに対し、日向は驚きも焦りも何も見せずに木吉に向かってただそう言っていた
…え?とまた彼も相田とは別の意味で驚きを見せていたのだが、日向は気にせず座っていた床から立ち上がりまた話始めた
日向
「あの時お前は「日本一になる」とは言わなかった。リコの言葉にギクリとしたのも、つまりはお前自身だ
結局中学のトラウマをまだひきずってるんだよ
日本一を信じきれないのは、お前だろ」
彼の言ったあの時とは、屋上からI.Hに出場すると宣言した時のことだ。確かに木吉は日本一になるとは言わなかった
リコの言葉は帝光に勝つことを諦めている。という内容で、伊月は日向の事を思い出していたが何よりもそう思っていたのは、彼だったのだ