第17章 それも運命
高尾
「お、名字ちゃん?」
緑間を捜していた高尾はもちろん試合会場まで捜しに来ていた
その時には反対側に居たのだが、向こうの客席誰かいると目を凝らしてみてみると名前だったため、話しかけたのだ
名前
『…和成』
高尾
「うーっす。試合中ベンチ居なかったけど、名字ちゃんどこいってたの?」
名前
『客席で見てた』
高尾
「な、なんで?」
名前
『久々だから、感覚戻るまで』
高尾
「ふーん…」
高尾のいる方向を見ずに、名前は相変わらずコートをずっと見つめていた
その様子をしばらく見ていた高尾は名前の右隣の席へと座って、またしばらく様子を伺っていた
高尾
「…名字ちゃん何か、元気ない?」
名前
『いやすごい元気だけど』
高尾
「なんつーか…名字ちゃん、放っといたらまたどっか消えちゃいそー」
名前
『!?』
高尾の発言に驚いたのか、名前はやっと高尾の方に目線をやった
彼は本当に不安そうな顔をして名前のことを見ており、彼女の右手をそっと握った
名前
『…』
高尾
「さってと、真ちゃん捜しに行くか!」
名前
『え』
高尾
「ほら名字ちゃん、一緒に行こうぜ」
名前
『う、うん』
高尾に手を引かれて走り出した名前は少しの間驚いていたが、彼のオレンジ色の後ろ姿を見てそっと優しい笑みを浮かべた
同じオレンジだなぁ。と、彼女は考えていた