第16章 決勝リーグ進出だよ
悩んだ伊月は日向にパスを出した。だがそのパスは宮地によってスティールされ、それを取ったのは緑間だった
もちろん緑間はそこで3Pのモーションに入り、火神は反射的に跳んだ。が、緑間は跳んでいなかった
日向
「フェイクッ!?」
緑間は跳んでいる火神の横でドリブルをし、火神が着地する頃に跳ぼうとしていた
火神はその後ろから、着地してすぐに跳んでいた
火神
「まだだぁ!!!」
中谷
「(なんだと!?)」
高尾
「(着地してすぐ…連続超跳躍!?)」
「一瞬早い!!ついにかわしたァ!?」
やはりそれは間に合わなかったのか、緑間のシュートは綺麗な弧を描いて宙に飛んでいた
会場は一気に盛り上がり誠凛は息を呑んだが、日向は次の瞬間目を見開いた
日向
「(いや!!)」
彼の放ったボールはゴールのリングの外側に掠り、入ってはいなかった
会場や大坪は外したのか!?と思ったようだったが、緑間はあの瞬間から火神が触れたのだと気がついた
高尾
「(なんて脚力だ…!!)
それより、ボール生きてる!!走れぇ!!」
高尾がそう言って大坪と緑間以外の秀徳3人が走り出したのだが、黒子は既にその場に着いており、ボールを片手でキャッチした
それはもちろん予想外のことで、3人は驚いていた
高尾
「な!?何ィ!?
(マジかよ。フェイクの直後にもう走ってやがった…火神が触るのを信じて…!!)」
そして黒子は遠心力を使ってコートの端から端までパスを出し、伊月がそのパスを受け取った
パスを受けた彼は秀徳の隙をつき、レイアップシュートを読みながら決めた
「おおお決まった!!つうか今のパス誰だァ!?」
「なんつー電光石火だ!!」
火神
「(いや…それより)」
相田
「(フェイクをおりまぜてきた…!!
まずいわね。いよいよ火神くんの分が悪いわ…!!)」
そこで相田は木吉の名前を呼び、何かの合図のようなものをした
もちろん木吉もその合図のようなものを理解していた