第16章 決勝リーグ進出だよ
緑間はまた何度も3Pを撃とうと跳んでいた
だが火神はそれをことごとくブロックしていき、気づくとそれは第2Qまで続いていた
「うおお、まただ!10番(火神)のブロック!!」
「第1Qからずっと同じ光景のリプレイだぞ。信じらんねぇ…!!
すげぇぞ誠凛!!開始からここまで…秀徳相手にリードを守ってる!!」
相田
「……」
日向
「(素直によろこびたいところだが…このままいけりゃあ苦労はないぜ…!!)」
木吉
「(何を考えてる…!?このイヤな感じはなんだ…!?)」
観客の言う通り、確かに誠凛は23対16でリードを守っていた
だがそれに相田に日向と木吉は良い顔をせず、どこか不安気な顔をしていた
しかし選手である5人はそれを顔に出さず今は対秀徳戦を全力で戦っていた
だけれどもその中で息を早くもあげているのが1人いた
緑間
「どうした、もうヘバッたか。だとしたら拍子抜けなのだよ」
火神
「んなわけねーだろ!!テメーこそ、もっとガンガン来いよ」
伊月
「(どうにも顔色悪いな。消耗しているのは明らかに火神の方だ…前回なら黒子がヘルプに行っていたが今回は…いや今回もか
つくづくやっかいだぜ秀徳の1年PG、高尾…!!)」
高尾
「助けには行かせねーよ。例のアレはもう効果切れだ」
黒子
「……」
伊月
「(前回は鷹の目(ホーク・アイ)をミスディレクションの複合技でかわしたが…そもそも黒子のミスディレクションは持続時間が限られてるからそれもほとんど使えなくなってる
誤算だった。黒子は同じ相手と2戦目以降は能力がガクンと落ちるんだ…!!)」
前回の予選トーナメントでも高尾と黒子は戦っていた
伊月には頭の中で視点を瞬時に変えられ、色んな角度からものが見える鷲の目(イーグル・アイ)というものをもっている
高尾はそれのコート全体が見えるほどの広範囲版、鷹の目を持っているために黒子の視線誘導が前回きかなかったが、その視野を狭めさせるという逆の視線誘導を取り入れて乗り越えることができた
それを駆使し止めにきている高尾により黒子はヘルプに行けない。また、黒子は前回よりも目立っているこれが誠凛の誤算だった