第16章 決勝リーグ進出だよ
火神
「…で、なんだよ?」
黒子
「新しいドライブの、練習相手になってくれませんか」
火神
「…!?オイオイ、まだできてなかったのかよ!?」
黒子
「ほとんどできています。練習段階では
お願いしたいのは仕上げの対人練習です」
火神
「…なるほどな。いいぜ、来いよ」
そうして向き合った2人の邪魔をする訳にはいかないので、あたしはフェンスの近くに座り込んだ
ドリブルを始めたテツヤはいつのまにか火神を抜いていて、思わずあたしも目を見開いた
火神
「(…すげぇ!!発動条件こそいくつかあるが…もし決まれば…正真正銘無敵のドライブだ…!!)」
そう考えているのだろう。だけども残念なことにボールが火神の目の前にあった
意識しなくとも苦笑いをしてしまい、火神はテツヤに怒っていた
火神
「ん?」
黒子
「あ」
火神
「っ何が「ほとんどできてます」だ!!
すっぽ抜けてんじゃねーか!!」
黒子
「失敗です。すっぽ抜けました」
火神
「だから今言ったよ!!…ん?
(なんだ…?
このボール、皮がけずれてほとんどない。ツルツルじゃねーか…!
まあバスケットボール外でついたらすぐにこうなるが…それにしても夏だけで?
コイツ…)」
黒子
「このボールももう換えないといけませんね
体育館もっと使えたらいいんですけど…もうこれで6つ目です」
火神
「!?
(なっ…)」
ここ4ヵ月程度で6個のボールを消費したことに火神は驚いたのか、さっきのあたしのように目を見開いていた
仕方ない。とテツヤは帰る準備を始めていた