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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《2》

第15章 予選から





そうして再開された試合では火神に相変わらず2人くっついていた

だが、彼らは前半とは少々違った



「やはり!ダブルチーム」


「意地みせるぜ丞成!!」


火神
「(…いや違うな…こいつらにもう前半みてーな覇気はねぇ…
最初の作戦をただ続けてるだけだ…まあムリもねーか。この大差じゃ…けど黒子ならあきらめねーんだろーな。やっぱ…)

何人いよーがそれじゃムリだぜ
勝つ気のないDFじゃ、俺は止めらんねーよ!」


丞成
「なっ…」


ベンチ
「抜いたァ!!」


鳴海
「させっかぁ!!」


「つめてきた。ヘルプ早え!!」


鳴海
「まだ試合は終わってねェよ。勝った気になってんじゃねぇ!!」


丞成
「鳴海!!」


火神
「ホッとしたぜ。オマエみたいな奴がいてくれて、そーこなくちゃよ!!
けど悪ーな…勝つのは、俺達だ!」



そうして火神はフリースローラインからゴールを決めようと跳んだ

その事に観客も丞成も驚き、唖然とした



「レーンアップ!!?」


鳴海
「なんっっ!!?
(ありえねぇ…!!そんなに跳べる高校生がこの世にいんなかよ!?)」


火神
「おおお!」


誠凛
「決めろ火神ー!!」



その時、キセキの世代と呼ばれる彼らはとある音が聞こえた

根拠はない。だが彼らはふと直感した
全員が10年に1人と比喩される天才「キセキの世代」

そのあまりに突出した才能に1対1で対抗できる者は同じ「キセキの世代」以外いない

彼らと同格と呼べる選手は存在しないし、もし現れたとしてもそれはずっと先…のはずだった

彼らが聞いたのは扉の音

その圧倒的天才達しか入れない部屋の扉が、こじあけられた音

だが、キセキの世代以外に聞いてる人がなぜかいた



名前
『ちょっと待て、今のって…』



キセキの世代しか聞こえないはずじゃ。とポツリ彼女は呟き、頭を抱えた

だが口元は弧を描いており、目はまるで新しいおもちゃを見つけた子供のような目をしていた



名前
『上等、じゃない』



彼女はそこ子供のような目を細くし、そしてまた1人で何かをポツリと呟いた

だがその言葉は誰にも拾われずに歓声に負けて消えてしまった




"てっぺんで、待ってろ"








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