第10章 # 7.5 TILL the LAST
「ツエルブ…名前」
「あ、ナインおはよ」
「おはようナイン。昨日はありがとね」
「気にするな」
スル、と手と手が離れてしまう。
ナインの温もりはまだ少し残っている。
「2人の準備ができたら買い出し行こうか」
「あぁ。今してくる」
「シャワー浴びてくるね」
一旦、自分の部屋に戻り、着替えを取りにいく。
コンコン
「リサ、入っていい?」
「あっ、う、うん!」
ゆっくりと扉を開き、中を確認する。
リサの声が焦っているように聞こえた気がした。
「リサ、ごめん。着替えて…」
「あのっ、その…っ」
リサの手元、正しくは持っているものに目がいった。
小さくため息をついて、リサに近づく。
彼女が持っているものは、施設に入ってすぐの頃に撮った写真だった。
5人一組で写真を撮ってもらったのだ。
その写真には、ナイン、ツエルブ、私、ハイヴ、そして_______
「右端にいる黒髪の女の子は、7番目。その写真を撮った1ヶ月後に死んじゃったの」
リサの手から写真を取り、元の場所に裏返して戻す。
「私たちよりも一つ年上だったんだ。お姉さんみたいな感じだった」
「…ごめんね、勝手に見て」
「気にしてないから大丈夫。じゃ、私はシャワー浴びてくるから」
久しぶりに彼女のことを思い出し、胸が痛くなる。
どうして死んだのか。
そんなこと今更考えても何もならないのに。
早くシャワーを済ませ、足早に彼らが入る部屋へ戻る。
「お待たせ」
「大丈夫だ。行こうか」
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