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[残響のテロル]もう1人のテロリスト

第9章 # 7 DEUCE



「もしもし?」

空港に付いてすぐ、ナインから電話があった。


『今どこにいる?』


場所を伝えると、ナインはツエルブに何か言っているようだ。



『地図は頭に入ってるな?』
「もちろんです」
『お前の作戦でいく。頼んだぞ』
「りょーかい」


電話を切り、リサに向き直る。


「じゃあ、作戦通りに」


別々の方向へ歩き出し、それぞれやるべき事だけを考えて動く。


私のターゲットは1人だけ。

周りに注意しながら、人の間を抜ける。

イヤホンを耳につけ、普通の客を装い、監視カメラに映るか、映らないか、のギリギリを探す。


「?どうしたの?」
『チェスだ』
「は?」


ナインからの電話に出たが、いきなり言われても。


『空港をチェス盤に見立ててアイツはゲームをしている』
「…なるほどね」
『俺たちで場所を探すから、お前はそのまま続けてくれ。それが終わったら』
「リサの元へ向かえ、でしょ」
『あぁ、頼んだぞ』

それだけ言って、電話は切れた。

さぁ、もうすぐ来る頃かな。

そう思っていると、数人の男が目に入った。

「いた」

スマホを見ながら、ただ一人の男だけに近づいた。

ドンッ

「おっと、」
「あ、ごめんなさい」

柴崎刑事。
イヤホンを外し、目をしっかり合わせ、丁寧に謝罪。
もちろん声は低めに。

「あぁ、いや、こちらこそ悪かった」
「もしかして、刑事?」
「どうしてだ?」
「いや、さっきから掲示板がおかしいからさ、なんかあったのかと思って」
「掲示板?」


私が指を指す方向には、D4という数字。

「…ご協力感謝する」


そう言って、刑事達は走っていった。

"誰でもいい、警察に何か印象を与えておけ。万が一、リサが失敗した時に、お前が付いていれば警察の警戒は薄くなる"


「さてと、四号さんはどこにいるのかな」

真っ先に向かった先は、ロッカー。



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