第8章 # 6 READY OR NOT
「ちょっと、本当に大丈夫?コレ」
「大丈夫、似合ってるから」
「すごい…」
上から下まで全部ツエルブの服。
髪はニット帽にしまい込み、ショートヘアに見せる。
「男の子に見えんの?」
元々、中性的な顔だとは言われていたが、いざやってみるとしっくりこない。
「ちょっと低い声出してみ?」
「あー、あー、」
「うん、バッチリ」
ツエルブよりも少し大人っぽく声を出してみると、拍手×3。
ナインまで拍手って何よ。
「よし、名前の準備も出来たんだ。行くぞ」
ナインの声により、それぞれが動き出した。
「リサ、行こうか」
「う、うん!」
やっぱり、緊張してるのか。
それとも、罪に対する意識なのか。
「大丈夫だよ」
「え?」
「大丈夫だから。いざとなったらツエルブが迎えに来てくれるよ」
今までもそうだったんだから。
車で出る2人を見送ってから、私たちは駅へ向かう。
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「さすが夏休み…」
「座れるかな」
リサの監視兼保護者みたいなもん。
巻き込んじゃった手前、危険な目に合わせる訳にはいかない。
リサがハイヴの手に渡るなんて、絶対にあってはいけない。
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