第8章 # 6 READY OR NOT
頭を撫でていると、ナインの顔が歪み始めた。
「ナイン…?」
「っはぁ、はぁ…」
呼吸を荒くしながら、ナインはゆっくりと起き上がった。
「大丈夫?まだ休んでれば?」
下からツエルブの声が聞こえ、ナインは階段を降りた。
「いや。あいつは待ってくれない」
ナインの後を追いかけ、床に座る。
「ひょっとして恨んでるのかな。あいつ、俺たちのこと」
"あいつ"という言葉に、鼓動が速くなる。
「あのとき、そうしようと思えば逃げられたはずだ。あいつはきっとゲームがしたいだけだ。あのときからのゲームの続きを」
「ゲームで怪我させられたんじゃ、たまんないよ」
「厄介な相手だね。まっ、逃がしちゃくれないだろうけど」
こっちにいるんだ。
計画はどうなる?
リサという、想定外にあたるであろう人物の登場に、あいつはどういう手を打ってくる…?
何手も先を見据え、計画を練ってくるだろう。
今のあいつにはきっと、海外の警察や何かしらの集団がいるはず。
あぁ、面倒だ。
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