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[残響のテロル]もう1人のテロリスト

第7章 # 4 BREAK THROUGH



「おかえりなさいって、何その怪我…」

ツエルブに支えられ、今にも倒れそうな顔をしたナインがいた。


「名前、お風呂の準備してもらっていい?」
「うん」

すぐにお風呂場まで行き、タオルや必要な物を置いてからお湯を沸かし、準備を整える。


「もう大丈夫だよ」
「ありがとう」


ツエルブがナインをお風呂場まで連れて行くのを見届けてから、救急箱を探す。


「背中…酷かったな…」


怪我の様子から、ナインは爆弾に背を向けていた。
ということは、誰かを守った、っていうことでいいのかな。

優しいんだよね。やっぱり。


「名前は大丈夫だった?」
「あ、ツエルブ…。私は大丈夫だよ。2人の方が大変だったよね」


上手く笑えてるだろうか。
本当は、泣きたいくらいに怖かった。
隣に居てほしかった。


「嘘は無しって言ったよね」
「あははっ、大丈夫だって」


ツエルブから離れるようにソファに座り、救急箱の中身を確認する。


「言いたくないならいいんだけどさ、ナインが心配してたから」
「平気平気、ちょっとびっくりしただけだよ」


中身が揃ってることを確認し、立ち上がる。


「ロフト、使っていいからね」
「ありがとう」


救急箱を持ち、お風呂場の前で止まる。


「ナイン、お風呂出たらロフトまで来て。キツかったら手伝うから」


返事は無いが、きっと来てくれるだろう。


久しぶりに登るロフトからの景色は、小さい頃とは違って、更に高く見えた。






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