第7章 # 4 BREAK THROUGH
しばらく屋上で惚けていると、意外と時間が経っている事に気がついた。
「そろそろ戻ろうかなー」
空っぽになった籠を持ち、階段を降りる。
「?火事⁉︎」
焦げ臭いような、なんか変な臭いに気づき、急いで部屋へ戻る。
「リサ⁉︎」
「ゴホッゴホッ」
丁度帰ってきたナイン達も、同じように咳き込み、辺りを見渡した。
「黒っ、ていうか何この色…」
フライパンはコゲコゲ、周りもなんだかよくわからない色をしている。
ツエルブでさえ苦笑い。
ナインなんか「あ、殺させれる」って思うような顔をしている。
「作ってみたの」
「……とりあえず、座ろうか」
笑顔で言う辺り、自信はあるんだろうか。
ナインとツエルブに、私も今出せる笑顔でそう促した。
あぁ、これはどんな爆弾よりも厄介で危険なんじゃないかな。
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