第7章 # 4 BREAK THROUGH
「あの女、どうするつもりだ?」
「家出してふらふらして警察に捕まっちゃってゲロるくらいだったらさ、監視の意味でも近くに置いとく方がいいと思うんだ」
「あいつは仲間じゃない。ここにいれば、いずれ俺たちの邪魔になる可能性だってある」
「あいつさ行くとこないみたいなんだ。「この世界から逃げ出したい」って言ってたんだよね。「どこにも居場所がない」って」
手摺に体を預け、2人の話をただ聞いている。
「言ったはずだぞ。深入りはしないって。分かってるはずだ。俺たちに関わり合えば不幸な結末しか待ってないって」
ナインとツエルブ、それぞれの主張には賛成できるところがある。
「名前は。どう思う」
「え?私は…」
ナインに突然話をふられ、必死に考える。
「2人とも、間違ってはいないと思うよ。だから、決めるのは難しいかも。ごめん」
「そうか」
手摺から体を離した瞬間、複数の着信音が聞こえた。
「まさかっ」
いち早く反応し、部屋へ戻る。
「あっ!いやあの…ごめんなさい!」
謝るリサちゃんを一瞥し、携帯電話のボタンを押して音を止める。
「まっ運が良かったね」
「え?」
「こいつはただの電話じゃないんだ。この消火器の中にはプラスチック爆弾が入ってる」
まぁまぁ、とツエルブは私をなだめなからリサちゃんに言う。
「そしてその電話は起爆装置。もし信管がつながってたら今ごろここは…」
「ドカーン!」
ナインの後にツエルブがそういうと、リサちゃんは倒れてしまった。
「あら?病人脅かし過ぎた?」
「ツエルブ…」
優しいのか、意地悪なのか…
「腹黒いのか」
「名前それ酷くない⁉︎」
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