第7章 # 4 BREAK THROUGH
「立てるか」
「ん。ありがと」
差し出されたナインの手を取り、立ち上がる。
ふらっ、と少し態勢を崩しただけでナインは素早く支えてくれた。
「今日は中継だぞ」
「へぇ、楽しそう」
ナインのパソコンの画面には、生中継サイトの画面が映し出されていた。
どうやら、警察はズルをしてしまったようだ。
流れていく白い文字は、紛れもない事実。
日本の警察に対する、皆の意見だ。
「どかーん」
そう呟く。
そしてきっと、柴崎さんのパソコンからも同じ声が聴こえたことだろう。
インストールしてあるつぶやき型SNSのアプリを開き、アルモノを確認する。
「情報流出完了」
次々と流れていく捜査資料。
丁寧に画像まで添付されているものもある。
「本当、やること惨いよね」
「それはお前も同じだろう」
「うん、もう…戻れないよ」
都庁の時に、ナインがリサちゃんに放った言葉。
あれって、きっと自分自身にも言っていたんじゃないか。
何故だか、そう思ってしまった。
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