• テキストサイズ

[残響のテロル]もう1人のテロリスト

第7章 # 4 BREAK THROUGH




「立てるか」
「ん。ありがと」


差し出されたナインの手を取り、立ち上がる。
ふらっ、と少し態勢を崩しただけでナインは素早く支えてくれた。


「今日は中継だぞ」
「へぇ、楽しそう」


ナインのパソコンの画面には、生中継サイトの画面が映し出されていた。

どうやら、警察はズルをしてしまったようだ。


流れていく白い文字は、紛れもない事実。
日本の警察に対する、皆の意見だ。


「どかーん」

そう呟く。
そしてきっと、柴崎さんのパソコンからも同じ声が聴こえたことだろう。


インストールしてあるつぶやき型SNSのアプリを開き、アルモノを確認する。


「情報流出完了」


次々と流れていく捜査資料。
丁寧に画像まで添付されているものもある。

「本当、やること惨いよね」
「それはお前も同じだろう」
「うん、もう…戻れないよ」


都庁の時に、ナインがリサちゃんに放った言葉。
あれって、きっと自分自身にも言っていたんじゃないか。

何故だか、そう思ってしまった。


/ 51ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp