第7章 # 4 BREAK THROUGH
「さっすが警視庁。ガード堅いね」
「いや、だからこそ誰かが作った裏口があるはずだ」
「ん?今の怪しくない?」
ナインの横に座り、画面を見つめる。
少しでも、どんなに些細な事にでも目を光らせ、入り込む隙を見つける。
そんな時、本当に少しの隙間を見つけた。
「ウェブシェルだな」
「あったり〜」
「さすがナイン」
立ち上がり、緊張が少しほどけた。
台所で三つのコップにお茶を注ぎ、2人に渡す。
「どうぞ」
「さんきゅー」
「ありがとう」
「どういたしまして」
テーブルにコップを置き、ソファに深く座る。
ゆらゆらとお茶が揺れている。
何故かソレが、あの日見た炎に似ていると思った。
明確な理由は自分でもわからない。
赤くもなければ、熱くもない。
「じゃあちょっくら買い出し行ってくるわ」
「こっちも次の贈りものあげとくぞ」
「お中元ってわけねやっぱ礼儀は大事にしないと」
「私も行く?」
「ん?あぁ大丈夫。ナインと居て」
「りょーかい。いってらっしゃい」
いってきます、とスマホ片手にツエルブは部屋を出た。
「どう思う?」
「え?どうって、ツエルブとリサちゃんのこと?」
そう聞くと、ナインは頷いた。
「では、スピンクス三号からスピンクス一号への問題です」
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