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私の記憶と、大事な人。 *ヘタリア*

第8章 なつ



心夏「ほ、本田君っ…授業は?まだ後30分位あるんじゃ…?」

菊「そんなの今はどうでもいいです」

心夏「どうでもよくないでしょ笑」

本田君はベットの横に置いてあった椅子に腰をおろすと私の手を握った。
その手は私の手よりも少しだけ冷たかった。

菊「アーサーさんも心配してましたよ。」

心夏「そうなんだ…やっぱアーサー君って根は優しいんだね」

私のことを心配してくれてるであろうアーサー君の顔を思い浮かべると、どこか可笑しくて笑ってしまった。
それにつられて本田君が優しく微笑んだ。
あぁ、腹痛なんてどこかにいっちゃったよ。

菊「あっ、そうだ。先程少し調べてみたのですが…生理痛の緩和にはココアなど温かいものがいいみたいで…あっ、でもカフェインは絶対ダメですよ!」
そういって本田君は私にスマホの画面を向けてきた。
私はただじっと本田君の顔を見る

菊「…? あ!よ、余計なお世話でしたらすみません! 女性の事に私が口をはさむのは良くありませんよね…すみません」

心夏「いや…そうじゃないの、本当、ありがとうね。やっぱり本田君、優しいんだなーって思って…  …ん?」

本田君はついさっきの私みたいに、じっと私を見た。

菊「…名前」

心夏「名前?」

菊「…私の名前です。いつになったら苗字呼びじゃなくなりますか…?」

心夏「えーと… じゃあ、菊くん…? 言いにくいなぁ笑」
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