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〜時計仕掛けの夢〜

第1章 ハートの騎士・エース


(甘ったるい空気なんて苦手で毛嫌いするくらい大っ嫌いだったけど…。エースとなら悪くないわ)

「…アリス、好きだ…」

「エース…」

エースの唇がアリスの首筋に落ちる

「本当に…。…殺したいくらい」

「………」

(………はい?)

ムードが台無しだ



けど、エースの表情が甘いので殺伐とした台詞もどうでもよくなる

(この人の傍で迷うのも良いかも知れない…)




今も迷っている

私のいた元の世界

残して来た優しい姉


でも私はエースと共にいられるハートの国を選んだ

後悔がないと言えば嘘になる

けど…


彼が、好きだから…


「…私、あなたになら殺されてもいいわ」

「アリス…!!…やっぱり、君が大好きだ…!!」

エースの顔がゆっくりと近付いて、同時にアリスは目を閉じた

触れるだけの優しいキスが降り注ぎ、次第に甘く深くなる

「……んッ…」

「…ッはぁ…」

(くらくらする…。きっと熱のせいね…)

こうして、一時の甘い時間を 二人は過ごしたのだった
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