第9章 血まみれの双子・トゥイードル=ディー&ダム
ずいっと近付かれ、固まるアリス
仮にも子供…だが、見た目以上に彼らには子供にはないものを持っている事も、アリスは知っている
彼らがマフィアの門番を任されている理由がそれだ
斧を嬉々として振り回し、敵を切り刻む
彼らにとったら、面白い玩具で遊ぶ程度に過ぎない
その残忍さがわかるからこそ、アリスはキッパリと断れないでいた
初対面の時は殺されかけた経験もあるからだ
「…えっと…、…あ!さ、三人でお買い物に行かない!?」
「お買い物?」
「お姉さん、何か買いたいものがあるの?」
「そうなの!!みんなで食べるお菓子が欲しくて!!」
(…我ながら苦しい言い訳だったかしら…)
顔を見合わせた双子はにっこりと笑って、アリスの手を取る
「行こうお姉さん!」
「お姉さんとお買い物…、僕楽しみ…!」
「僕も楽しみ!お姉さんから僕たちを誘ってくれたことなかったから凄く嬉しいんだ!!」
「……あ…」
とても嬉しそうに話す双子
心の底からの言葉にアリスの瞳が揺れた
(…この子たちは、ただ純粋に私と遊びたいだけだったんだわ…。それを私は…)
アリスは双子の手をぎゅっと握り笑顔を向ける
「…それじゃあ、行きましょう!」