第5章 トカゲ・グレイ=リングマーク
熱っぽい眼差しを向けるアリスを、グレイがそっと制す
「…駄目だ」
「どうして…?私はグレイが…!」
ふわりと優しく抱き締められ、アリスの心臓はこれ以上ないくらい早い
「…それは、男が言う台詞だ」
掠れた彼の声は更に色気を増して、アリスを翻弄する
「…アリス、君を俺だけのものにしたい…」
彼の金色の瞳がアリスを捉えて離さない
獲物を見る肉食獣のような瞳
「グレイ…」
(この瞳に捕まったら、逃げられないわね…)
「君はいろんな奴に人気だから、俺みたいな男には見向きもしないだろうと思っていた…」
少し動けば鼻がくっつきそうな距離で彼が告白する
「…ずっと夢見てきた。君が俺のものになる夢を…」
アリスはそっと目を閉じた
「もう、離さない」
グレイの熱い唇がアリスの唇と重なる
二人はしばらくお互いしかいない空間で深く愛し合った