第5章 トカゲ・グレイ=リングマーク
「ずいぶんと遅かったじゃないか…、二人とも」
「げっ」
「ナイトメア様、起きていましたか」
料理をやっとの思いで作り終えナイトメアの寝室まで運んで来たのだが…
キングサイズのベッドの上で仁王立ちになっているナイトメアが、グレイとアリスを出迎えた
「起きていましたか…、じゃない!二人して私の部屋の中で、あんなことやこんなことを…!!」
「何を仰っているんです?さ、料理が冷めないうちに召し上がってください」
「グレイ…、どうしてお前はそんなに冷静なんだ…。考えをシャットアウトするな!読ませろ!」
「無理です」
(……やっぱり聞こえていたのね…)
頬に熱が集まってくるのを感じながら、アリスは二人のやりとりを見つめた
「アリス」
ふとナイトメアがこちらを振り向く
「グレイを宜しくな」
ドアは相変わらず私を惑わす
私が本当に帰りたいのは…
大好きな彼のところ
彼がいれば、もう惑わない
私の居場所はここだから…
Fin