第4章 白ウサギ・ペーター=ホワイト
「ホワイトにティータイムを邪魔されたが、代わりに良いものが見れたな…。…アリス、お茶会はお開きだ。また妾と一緒にお喋りをしよう…?」
最後は囁くようにアリスに告げると、ビバルディはこの場を去って行った
残されたのはアリスとペーター
ビバルディの姿が消えたのを確認すると、ペーターが座っていたアリスの腰にいきなり抱きついた
「ちょっ…、ペーター!」
「僕じゃ、駄目ですか…?」
いつもと違う弱々しい声
だらりと垂れた白く長いウサギ耳
アリスを見上げる潤んだ瞳
(……あ、あれ…?)
うずうず、ドキドキ
「僕じゃ、あなたの一番になれませんか…?」
(………嘘、私…まさか…)
「僕じゃ、あなたがこの世界に残る理由になりませんか…?」
――がらがら ぴっしゃーん
(…落ちたわ)
あんなに鬱陶しくて、うるさくて、目障りだと思っていたのに
今はなぜか愛おしく感じる
「アリス…、僕は…」
尚も不安そうな顔をしながら見上げる彼の頭を優しく抱きしめた
「……ぇ、アリス…?」