第3章 チェシャ猫・ボリス=エレイ
*遊園地・巨大迷路前*
「……何、これ…」
目の前に広がる…壁
右を見ても壁、左を見ても壁
視界の端から端まで壁
「だから、言っただろ?巨大迷路だって」
「ここまで巨大だとは思ってなかったわよ!」
「すっげー!なぁアリス、早く入ろうぜ!」
あからさまに嫌な顔をするアリスに対し、ボリスは目を輝かせている
うずうずという効果音が聞こえてきそうだ
「10時間帯後に御披露目する予定だからな!その前に、第三者の意見を聞かせてくれ」
そう言うと、ゴーランドはアリスとボリスを迷路の中へと…
突き飛ばした
「ぎゃあぁぁあぁああぁッ!!」
「にゃはははははッ!!」
何故かぽっかりと空いていた穴に、落ちた
アリスの絶叫とボリスの笑い声がこだまする
「じゃあ、くれぐれもトラップに引っかからないようになー!!」
最後に聞こえた「トラップ」という不穏な単語…
アリスは拳を握りしめ、迷路から抜けたら真っ先にゴーランドを思い切り殴ろうと決めたのだった