第3章 チェシャ猫・ボリス=エレイ
「ぎゃあぁあぁぁッ!!耳がッ!!耳が腐るッ!!」
アリスの悲痛な叫びもゴーランドには届かず、地獄のリサイタルは続いていく
「たららったらら〜♪ら〜〜ら〜〜らら〜〜〜〜♪」
(死ね!!この××××××!!)
口には出さずに暴言を吐くが、そろそろ意識が飛びそうになる
その時、
――バァンッ
「なッ!!ボリス!!てめぇ、また俺様の邪魔をしやがって!!」
破壊音楽が鳴り止んだ
見ると、アリスを庇うようにピンク色がゴーランドとの間に割り込む
「うっさいんだよ、おっさん!!いい加減アンタの音楽が犯罪だって気付けよ!!!」
「何だと!?お前みたいな卑猥な色の猫には、俺様の芸術的な音楽がわかってないんだよ!!」
「どこが卑猥な色なんだよ!?それに、おっさんの音楽は音楽とは呼ばない!ある意味芸術的だよな!その破壊力!!」
ぎゃいぎゃいと言い争いが始まってしまった
ボリス=エレイ
遊園地の居候で、空間を自由に繋ぐ能力を持つチェシャ猫だ
ピンク色の髪にピンク色の猫耳、黒のへそ出しスタイルの服装で、黒のハーフパンツにピンクの尻尾
そしてピンクのファーを常に巻いている
…つまりは全身ピンクのパンクな人(猫)だ
ゴーランドのバイオリンに得意の早撃ちで穴をあけて、地獄の演奏を止めてくれた