第2章 時計屋・ユリウス=モンレー
「仕方ないじゃない!あぁでもいわなきゃ、また文字通りあなたを引きずって行くわよ?」
「…私には仕事があるというのに」
小声で悪態をつくユリウスを気にしつつ、エースの動向も見守る
(何だか、引率の先生みたいな気分…)
「エース!そっちには道はない!」
「え〜、こっちが近道な気がするんだよ!」
「貴様の道案内ほど、あてにならないうえに危険なものはない!」
(楽しい…)
「…あと、買い忘れたものは…ないわね」
袋の中身を確認すると、くるりと踵を返し時計塔へ戻ろうとするユリウス
「待ってよユリウス!」
アリスが彼を追いかけようとしたその時
「危ない!!」
――がぅん!!
エースの声に足が止まった瞬間聞こえた銃声
遅れて来る腕の痛みと恐怖
「アリス!!」
蒼白な顔のユリウスはアリスに向けられていた