第2章 合宿前日
「みなさんお疲れ様ですっ!」
練習が終わり、マネージャーが部員にタオルとドリンクを配る。
「サンキュー東山。」
「ふー生き返るー!」
「先輩、ありがとうございます!」
マネージャーにお礼を言いながら、それらを受け取っていく部員たち。
「やっぱ、うちの女子マネ最高!」
ドリンクを一気に飲みきった山本がいきなり叫ぶ。
(一気飲みなんて駄目だと思うんですが…!)
と思っていた桃はいきなりそんなことを言われ、反応に困ってしまった。
彼女が視線を泳がしていると…
「今更か?桃が最高なのはずっとだろ。」
どこかからかうように笑う黒尾の声。
「ちょっと、クロまで…!」
幼なじみだからからかいには慣れているが、いきなりのことに戸惑っているようだ。
「クロ、桃が困ってる。……おれも同意だけど。」
「ええっ?!ケンまで……!」
もう1人の幼なじみである孤爪も珍しくからかいに乗っかってくる。
「もう、みなさん!冗談はやめてください…!」
桃はみんなの視線から逃げるように、持っていたタオルで顔を隠した。