• テキストサイズ

ハイキュー!! 夏恋

第5章 意地悪なJoker*黒尾鉄朗√


(どうしよう…)

木兎のせいで桃の頭の中はグルグルと混乱していた。

(みなさんの視線が痛い…)

自分が注目を浴びていることを感じて、桃は視線をさまよわせた。
注目を浴びることが苦手な彼女にとって、この状況は耐え難いことだった。


(ううっ、助けて…!)

助けを求めるように見つめた先には、幼なじみでもある黒尾がいた。

その視線を知ってか知らずか、黒尾は桃に近づく。



他の人はよくわからずその場で動くことがなかった。
いや、黒尾のオーラを察して動かなかった。




桃の側に来た黒尾は彼女の肩を抱く。

(!?)

引き寄せられた力に驚いて桃は黒尾を見上げた。

「こいつが元『王女』であっても、今は音駒排球部のマネージャーの東山桃だ。」

黒尾の声がシンっと静まり返った体育館に響く。

「桃を困らせた奴は……覚悟しとけよ?」

黒尾の口が三日月型に笑う。
だが目は全く笑っていない。


(私のために……でも、この状況はっ!)

黒尾の優しさ、そして肩を抱かれたままという状況、色々な思いが重なって鼓動が速くなる。

(こんなにドキドキするのは、クロだから…クロが好きだから、なのかな…!)

そんなことを考えてしまった桃は益々赤くなっていった。

/ 73ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp