第4章 Innocent Love*孤爪研磨√
「…っ!ケン?」
「桃の髪、気持ちいい…」
孤爪は桃の頭をゆっくり撫でる。
少しでも彼女の気持ちが癒えるように…
そして資格がないなんて思ってもらいたくなくて…
(おれには桃が必要だから…)
そんな思いを込めて…
「くすぐったいけど……気持ちいい、です…」
桃は顎の下を撫でられた猫のように、気持ちよさそうな顔をする。
その言葉と顔に孤爪の手は止まった。
「ケン?」
声にピクッと反応して、また撫で始める。
(…かわいすぎ。)
孤爪の鼓動が大きく音を立てる。
動揺が伝わらないように、平然を保った。
一方桃は穏やかな気持ちでいた。
(……ケンに撫でられると落ち着きます……!)