第1章 夢?いいえ、現実です。
「…いい加減、話を聞けよい!」
私の現実逃避という名のスルーは
南国頭のやる気のなさそうなお兄さんに
中断された
こうなりゃ
「ごめんなさい」
どうせなら、啖呵切ってやろうと思ったのに
あまりの剣幕に素直に謝罪が零れる
「え、いや、解ればいいよい」
素直に謝罪したのが効いたのか
どもりながらもお許しがでた
「ところで、あなたは誰ですか?」
いや、初対面で会話をするなら
当たり前の反応だと思うんだ
……………………………………………………
「もう、いいよい」
「え?毛・伊井宵さん?」
「………」
「……すっ…………素敵なお名前ですね」
「……はぁ」