第17章 番外編:01 受験準備
「有栖はどの高校に行くんだい?」
「え? そうだなぁ……どうしよう?」
高校の入学案内の書類を眺めながら、征十郎と図書館で談笑していた。時は過ぎ、あれから私は三年生へと上がった。とはいえ……高校か。まだあまり考えてなかったなぁ。
「スタートダッシュが遅い奴は、置いていかれるだけだぞ」
「わかってるよぉ! えっと……無難に誠凛とか?」
「もしお前が本気でそう思っているなら、俺は紫原に同情するよ」
「ええ!? いや、だって……敦君が行きたがってる高校って、意外と偏差値高いんだよ? 知ってた?」
「俺はもっと偏差値の高い高校に行くが?」
「この天才児! 馬鹿野郎っ!!」
征十郎に文句をかましていても、何も始まらない。実のところ、私個人としてはそこまで行きたい高校はなくて、もし叶うなら敦君と一緒の高校がいいなぁって……思ってるんだけど。でも、敦君って意外と勉強できちゃうし。
彼が行きたいって言ってた、陽泉のパンフレットに目を通した。