第15章 それぞれの痛み
「…言ってみなさいよ」
「あ? なに有栖ちん、めっちゃ痛いんだけど。どういうつもり?」
「もう一度言ってみなさいよっ!!!」
「っ……!」
「バスケが遊び? ゲームと一緒? なんでそんなことが言えるのよ!? 貴方達と今まで戦ってきた人たちはゲームで言うNPCとでも言いたいわけ? ふざけないでよっ!! 皆それぞれ秘めた想いがあって、勝ちたくてその為に練習を重ねているんじゃないの!? それなのに、勝てるからいいやってなめてんのもいい加減にしなさいよ!」
「有栖……ちん?」
「征十郎は……やっと長く続けられる好きなものを見つけたんだ。皆とバスケするのが好きだって、嬉しそうに笑うんだ……でも皆は違うの!? 敦君は違うっていうの!? 別にバスケなんて楽しくないの!?」
合宿で見た皆の姿は、練習は辛そうだったけど少なからず楽しそうに見えた。何処にでもいる普通の中学生の、バスケ部の少年達が頑張って練習している風景に見えた。敦君だって。あの炎天下の中疲れたと零しながらも手を抜かず練習していたのに。
どうして? どうしてそんなことを言うの?