第14章 彼と私の終着点
合宿に着いてきて、彼らの練習風景を見てわかったことはある。本当に皆仲が良くて、心から繋がっているんだろうなって。
私には出来なかったことを、彼らならきっとやってあげられるだろう。
本当の、友達に。
「有栖は俺のこと、どう思っている?」
「どうしたの、いきなり」
「いきなりじゃない。ずっと、思っていたことだ」
「……どうって言われてもなぁ」
「……。最後は観覧車に乗ろうか」
征十郎をどう思っているか? たぶん、ただの幼馴染という気持ちは変わらないと思う。寧ろそれ以外に、彼に対する想いを表現する言葉はない。
征十郎は少しだけ、困ったように笑って私の頭を撫でた。
どうしてそんな顔をするの? 私には、わからないまま。
昼食を終えた私達は、他を適当に見て回った後に、最後の観覧車に乗り込んだ。丁度陽が傾いて、夕陽が落ちていく。淡いオレンジ色の光が、きらきらと眩しく地上を照らす。その様を眺めていると、征十郎が「有栖」と私を呼んだ。
「征十郎?」
名前を呼び返すと、征十郎は目の前で大きく深呼吸をした。