第4章 ルビコン計画
「いやー、すいません。私が受け取り先の代表でしね。えーっと、これが信任状です。」
シュタイナーは信任状を渡した。
税関職員は、信任状を確認した。
「書式は整っているようだが、これは本来輸送船の側から提出すべき書類なんだがね。」
シュタイナーは言った。
「あー、あれはうちで頼んだ工作機械でしてね、今日中に納品しませんと、延滞金を払わにゃならんのですよ。」
「そんな理由が…「いやそんなことになったら、うちの会社は倒産しちまう。それに、先方にも申し訳が立たんのですよ。ね、ね、お願いします。時間がないんです。」
ついに税関職員は根負けし、頷いた。