Do not look back behind【進撃の巨人】
第1章 強く握られた拳
子どもの泣き声で目が覚める。
部屋を見渡すと部屋の端でうなされる影を見つけた。
部屋に敷き詰められたように眠る子ども達を踏まないように歩き、
男の子の横に座る。
すると意識がはっきりしてきたのか、抱きつき服を握ってくる。
「お、おかぁさん…。どこぉ?」
「大丈夫。私がいるから。」
もう寝なさい。そう言い頭を撫でると男の子はまたすやすやと眠りはじめた。
…いつもの嫌な夢を見ていたような気がするがもう忘れてしまった。
時計を見ると針は深夜2時を指している。
「不吉…。」
もう一度寝ようにも目が覚めてしまった、ハンナは起き上がり台所へ向かった。
子ども達が起きてくるまであと3時間。
それまでに朝食と洗濯…今日は少し早く起きたから掃除も出来る。
慣れた手つきでエプロンをつけていく。
これが彼女の日常。