Do not look back behind【進撃の巨人】
第2章 自分の足で
「カイ!カイ、お願い。ねぇ起きてよ!」
カイまで居なくなったら私…。
涙が出ない代わりに体が震える。
もう一度彼の名前を呼ぶと、ピクリと腕は動いた。
「カイ…?」
瓦礫に挟まれる中必死にもがく。
ゆっくりと顔が上がると、そこにはいつもと同じ優しい顔があった。
「ハンナ…呼んだ?」
驚きすぎて口が開く。
カイが何も無かったように笑うから、強く抱きしめた。
「……バカ。」
「ねぇ、ハンナ聞いて?」
腕を放し見つめあう。