Do not look back behind【進撃の巨人】
第1章 強く握られた拳
怯えるように走る後ろ姿を2人で見送る。ハンナの姿が見えなくなると足を進めようとするリヴァイにエルヴィンは肩を掴んだ。
「彼女は君とよく似ているよ。」
「どこがだよ。あんな強気なのか弱ぇのかよくわかんねぇ女。」
「今にわかる。これは私が渡しておくがいいね?」
エルヴィンは頬を緩めると手紙を片手に去っていった。
リヴァイは少し俯き、先ほどの少女を思い浮かべる。
特に顔が整っているわけでもないのに他のヤツとは違う何かに惹かれてしまう。
自分に説教してきた女は初めてだった。睨みつけても尚、強気に目を合わせてくるような女。
「気に食わねぇ…。」
リヴァイもエルヴィンの後を追うように歩きはじめた。