第1章 女の子同士の愛ってかわいいね
呟いた桃子は、どこか寂しげのように見えた。
「ごめん、桃子。あ、桃子は気にしなくていいんだよ?」
私は桃子に余計な心配をかけたくなかった。だから謝った。
だけど、どうやら逆効果のようだった。桃子は急に、力のこもった目で私を睨む。
「何それ!あたしは、なぁちゃんが一人で考え事してて、そのせいであたしの話聞かなくって、いや、それはいいとして…、なんで一人で抱え込んじゃうの?あたしたちって親友でしょ?なぁちゃんいつも悩んでる……。あたしじゃ力不足ってこと?」
一気にまくしたてられ、呆然とする私に尚も桃子は怒りをぶつけてくる。
「最近変だよ、なぁちゃん。返事は軽いし、話聞かないし、ずっと俯いてるし。ね、何があったのか教えてよ?」
私の眼前まで迫った桃子の顔。視線の交錯。
何も言えない、私。
言いたいよ。「好き」って。