第1章 女の子同士の愛ってかわいいね
いろんな気持ちが、私の心の中で渦巻いた。
本当のところ、ちゃんと桃子に告白したいから。自分の気持ちを言いたいから。
でも、出来ない理由がある。
嫌われるんじゃないかという不安。この不安が私の中に居座り続ける。
フラれるだけならいい。心配なのはその先。その先が怖くてたまらない。
桃子がそんな子じゃないのは分かっている。桃子は優しい子だから。
私が、弱いだけだって、分かっている。
「……ちゃん、なぁちゃん!」
「え?…あ、ごめん。何?」
考え事に夢中になり、桃子の声が聞こえていなかった。
桃子は一時頬を膨らませ怒っていたが、何度か謝ると笑顔を浮かべる。
今、私たちはお昼ご飯を食べていた。私も桃子も自前のお弁当。私はヘルシーさや色のバランスを考えたお弁当。桃子は好きなものを好きなだけ詰める。これでよく太らないなぁ、と、よく思う。
「ねぇ、なぁちゃん?」
「何?」
「最近、何かあった?」
「え、どうして」
「んー…考え事ばっかしてる……」
桃子は小さくそう呟いた。