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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第83章 諦めない










「ツクモは言った。ナナシは心臓を撃たれていると・・・。
だが実家には医療機材が揃っているから、そこに連れて行けば
助かると言ったんだ」

「・・・・心臓を・・・っ!?」


胸部を撃たれているのは知っていたが、
心臓部分を撃たれていたというのは初耳だった。

ハンジは薄々心臓が撃たれているかもしれないとわかっていたが、
無駄な混乱を避けるためそれを誰にも告げずにいた。


「それで、おまえはツクモという男にナナシを託したのか・・・・」


ミケが納得したという表情でそう告げると、
エルヴィンは狂気に満ちた笑みを浮かべて全員に命令する。


「今度もしツクモと会ったら半殺しにして捕らえろ。
ナナシの居場所を吐かせるだけの意識があればそれで良い」

「どうした?急に・・・」


突然殺気立ったエルヴィンにミケが困惑しながら尋ねると、
彼は暗い瞳で虚空を見つめた。


「あの男は最後に言ったんだ。ナナシはもう私達とは
居たくないと言っているから会わせない。死んだものとして
諦めて欲しい、と」

「・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・」

「ふざけるなっ!ナナシは俺のものだ!
必ず見つけ出して連れ戻してみせる!
ナナシがそれを拒んだとしてもだ!
最初から諦められるものなら、欲しがらない!」


堰を切ったように感情的になったエルヴィンに、
リヴァイ達は微苦笑すると「それでこそエルヴィンだ」と頷いた。



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